厳原八幡宮神社は対馬市の中心部、厳原港にほど近い清水山の山麓に鎮座する古社で、
古くから対馬藩主・宗氏(そうし)をはじめとする島民の崇敬を集めてきました。
社伝では、神功皇后が三韓征伐からの帰途にこの地で祭祀を行い、
異国からの守護を祈ったのが起源とされ、天武天皇の勅により社殿が造営されたと伝えられます。
八幡神を祀るこの神社は、国境の島である対馬の歴史において重要な役割を果たしてきました。
特筆すべきは、毎年秋に行われる厳原八幡宮大祭で、
中世に起源を持つ巫女神楽「命婦(みょうぶ)の舞」が奉納されることで知られ、
国の無形民俗文化財に指定されています。
また、境内社にはキリシタンであった対馬藩主宗義智の正室、
小西マリアを祀る神社が合祀されており、対馬独自の歴史を感じさせます。
- 神功皇后の伝説に起源を持ち、天武天皇の勅によって社殿が造営されたと伝わる
- 八幡神の力で異国からの侵入を防ぐ守護神として重要な位置を占めてきた
- 毎年秋の厳原八幡宮大祭で奉納される「命婦の舞」は国の無形民俗文化財に指定されている
- 豊臣秀吉の家臣・小西行長の娘で、対馬藩主宗義智の正室であったキリシタンの小西マリアを合祀している
基本データ
| 名称 | 厳原八幡宮神社(いづはらはちまんぐう じんじゃ) |
|---|---|
| 別名・愛称 | 八幡宮神社 |
| 社格 | 式内社(名神大)論社 対馬国一宮論社 旧県社 |
| 御祭神 | 応神天皇 神功皇后 仲哀天皇 姫大神 武内宿禰 |
| 創建 | 天武天皇6年(677年) |
| 例祭 | 旧暦8月15日 |
| 系列 | 八幡社 |
施設情報
| 住所 | 〒817-0013 長崎県対馬市厳原町中村645−1 |
|---|---|
| TEL | 0920-52-0073 |
| 駐車場 | 無料駐車場あり |
| 最寄り駅 | – |
| 公式サイト | https://www.tsushima-net.org/tourism-history/hachiman-jinja (対馬観光物産協会サイト) |
| 見どころ | 鳥居、神門、拝殿、本殿、平神社、宇努刀神社、天神神社 |
地図
近隣の観光スポット
- 万松院(対馬市):宗氏の菩提寺で、国の史跡に指定されています。苔むした参道や、百雁木と呼ばれる石段が有名です。
- 金石城跡(対馬藩庁跡)(対馬市):厳原八幡宮神社の隣に位置する対馬藩の藩庁跡です。
- 対馬歴史民俗資料館(対馬市):対馬の歴史や文化、生活などを学ぶことができる施設です。
- 対馬博物館(対馬市):対馬の歴史、自然、文化などを紹介する博物館です。
- お船江跡(対馬市):対馬藩の船を隠した船着き場の跡で、現在は海に面した公園として整備されています。
- 清水山城跡(対馬市):文禄・慶長の役の際に築かれた山城で、国の史跡に指定されています。山頂からの眺めが素晴らしいです。
- 旧金石城庭園(対馬市):金石城跡内に残る庭園で、国の名勝に指定されています。


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